Jun 28, 2020
桃の箱サイズと内容量(個数)について
こちら長野県小布施町は梅雨の晴れ間が続き(笑)休む間もありませんでしたが、今日は朝から雨で畑仕事ができず、筆が進みます(^^)
さて先日、桃の品質の基準となる「等級」についてご説明しました。
今回は、桃の箱の「サイズ」や「内容量(個数)」について説明したいと思います。
- 「職場で受け取って持って帰りたいんだけど、桃の箱の大きさってどれぐらい?」
- 「4.0kgって何個ぐらいの桃が入っているの?」
というご質問への回答となります。
桃の箱の大きさについて
まず、桃の箱の大きさ(外寸)は次のとおりです。
電車等での持ち運びを想定した場合には、4.0kg(中箱)だと抱え込むような大きさになるので、2.5kg(小箱)がよろしいかと思います。
長辺 | 短辺 | 高さ | AR | |
4.0kg(中箱) | 46.0cm | 31.0cm | 12.5cm | ARで確認 |
2.5kg(小箱) | 36.5cm | 27.5cm | 13.0cm | ARで確認 |
寸法を載せられても実感が湧かない!というAR対応デバイスをお持ちの方は、表内のリンクからAR(拡張現実)でご覧いただけますので、ぜひお試しください。(対応機種は iOS/iPadOS12以上のAR対応iPhone/iPad、ARCore1.9以上のAndroidデバイスとなります)
桃の内容量(個数)について
そして次に、内容量(個数)は次のとおりです(商品ページと同様です)。
4.0kg(中箱) | 概ね10~16個の桃が入ります。1個あたりの重量は280g〜460g程度です。 |
2.5kg(小箱) | 概ね7〜10個の桃が入ります。1個あたりの重量は280g〜420g程度です。 |
各サイズとも、桃ひとつひとつの大きさは全くのバラバラではなく、ある程度揃った大きさのものが入ります。
例えば、4.0kg(中箱)で10個入りの場合は「1個の大きさが416g〜463g × 10個」、15個入りの場合は「1個の大きさが278g〜298g × 15個」となります。
さて、ここからはちょっと細かい話になりますので、ご興味のある方はお付き合いください。
当園では自然減量分も考慮して、多めに箱詰めしています
農産物の特性上、私たちが販売している桃ひとつひとつの重量にはかなりの幅があり、それらをまとめて4.0kg、2.5kgという商品として販売するうえでは、それぞれにどんな大きさの桃を何個入れられるのかを考えることが必要でした。
先ほどの例の場合、4.0kg(中箱)の場合で計算すると、10個入りの場合だと全部で4,160g〜4,630g、16個入りの場合だと全部で4,160g〜4,448gの桃が入ってしまいます。つまり、4.0kgより少し多くなります。
これは特別サービス!というわけではなく、桃はその大部分を水分が占めていて(可食部の約9割)、輸送中の水分蒸発により減量してしまうため、当園では「お客様のお手元に到着した時点で表示重量を確保する」ことを狙いとして多めに入れているのです。
表示の内容量と実際の内容量が違うことについて
ただここで、ちょっとした疑問が湧きました。「表示の内容量と実際の内容量が違うことは法的に問題がないのかな・・?」
結論から言うと、問題ありません。このような商品も想定して「計量法」が定められ、販売者には「正確計量の努力義務」「量目公差(りょうもくこうさ)遵守義務」が課されていて、自然減量分を考慮して増量する当園の基準は良しとされるようです。(よかった〜)
ちなみに、桃の販売に関係する部分の法令等をザックリまとめると次のとおり定められています。
- 商品ごとに表示重量どおりに計りなさい
- 販売するとき(ネットショップの場合は発送時点)まで、表示した重量を確保しなさい
- 1kg以上の商品において、内容量が表示量を超える場合、誤差の目安は3%とする
- 1.5kg以上の生鮮モモ ・冷蔵モモ については、表示量から1%減の誤差までは許容する(ただし、最初から1%減で入れることは許されない)
- お客様との関係を考慮し、蒸発による自然減量を加味して多めに計量(入れ目)することは、必要最小限であれば構わない
ということで、当園では「必要最小限の入れ目」をして「多めに計量」しています。
必要最小限の増量(+8%程度)をしています
ますます細かくなってきましたが、疑問まだ続きます。「じゃあ、必要最小限の入れ目ってどのぐらいなの・・?」以下は本当にご興味のある方だけお付き合いください・・・
ということで、実際に蒸発による桃の自然減量を試験してみました。結果は・・、大小のさまざまな桃で試してみましたが、夏季の室内では24時間で3%程度、36時間で5%程度減量することが分かりました。
そこで、当園では「お客様のお手元に到着した時点で表示重量を確保する」という方針のもと、発送後翌々日着の場合の自然減量率(36時間で5%)を「必要最小限の入れ目」としました。(すっきり!)
というわけで、最終的に私たちは、
「自然減量後も表示の+2〜4%程度を確保するよう、計量時点の正味内容量が表示の+8%程度になるよう箱詰めする」
つまり、
4.0kgの商品には発送時点で4.3kg程度
2.5kgの商品には発送時点で2.8kg程度
の桃を入れることに決めたのです。
ここまで辿り着くのには時間がかかりましたが、現場仕事って奥が深いんだな・・と感じさせられた経験でした。
最後までお付き合い頂いた方、お読み頂きありがとうございました。
計量法 参考URL
ご興味のある方はこちらを参考にしてください。
- 経済産業省 計量行政
- 計量法における商品量目制度の概要(PDFのQ&A集が分かり易いです)