本文へ
摘花&病害対策 摘花&病害対策

摘花&病害対策

今日は「病害対策」の話です。

今、全国の桃農家の頭を悩ませているのが「せん孔細菌病」という病気です。

せん孔細菌病が発生すると、桃の枝、葉、果実に黒い斑点ができてしまい、樹は勢いが削がれ、果実は外観品質が損なわれてしまいます(ただ、食味への影響はなく、皮を剥けば美味しくお召し上がりいただけます!)。

そして病変部では細菌が増殖し、放置すると広がっていきます。また雨風で胞子が飛ばされたり他の枝葉に接触すると、樹全体、畑全体へと広がっていきます。

<病変部の様子>

名前からもわかるように細菌による病気なので、抗生物質で対処できるはずなのですが、抗生物質を撒き続けると耐性菌の発生が問題となってしまうため、抗生物質の散布以外に「耕種的防除(こうしゅてきぼうじょ)」が推奨されています。

耕種的防除ってなんだか難しい言葉です。

でもとても普通の感覚で、たとえば

  • 病変を見つけたら切り落とす(病変部分を広げない)
  • 枝葉を密に茂らせすぎない(接触の機会を減らす)

といったこと。つまり私たちでいうと、「風邪はひきはじめが肝心」とか「インフルエンザの時期には混雑を避けましょう」といった、体調管理にあたります。

植物はかなりひどい状態にならないと「ちょっと具合悪いよー」なんて教えてはくれません。数百本の樹を管理する果樹農家にとって樹木の隅々までチェックして病変をゼロにするというのも現実的ではないので、作業中気がついた時にこまめに除去することしかできないのです。

作業の中で病変部の除去に取り組みやすいのが「着果調節(摘蕾、摘花、摘果)」です。特に摘花は時期的に葉が茂っていないので枝の様子が見やすく、全ての樹の一通りの枝を観察できる作業です。

 摘花自体が延々時間のかかる作業なのに、さらに時間をかけている焦りもありますが、良品となる桃が少しでも多くなるように、今日も摘花&病害対策に励みます!

Back to top